鉄を錬る!(第2回:金属はなぜ冷たい)

 

シリーズ「鉄を練る!」

 

2回 金属はなぜ冷たい

 

 

 

 金属は触ると冷たく感じることが多いですね。特に寒い冬の時期に事務所のスチール製の事務机とかキャビネットとかに触れるとヒヤッと感じることはご存じですよね。木製のデスクではそれほど冷たさを感じませんね。でも、同じ場所に置いてあるので鉄製でも木製でも温度は同じはずです。家でも「木の温もり」を売りにしている住宅メーカーも多いくらい木には温もりを感じます。絨毯はもっと温もりを感じますね。廊下がむき出しの鉄板だったらどうでしょう。冬だったら足が凍えてしまいます。

 

絨毯とか木材はあまり冷たく感じないのに、なぜ金属は冷たく感じるのでしょうか。人の体温は36℃ほどですが机は室温で体温より低い温度です。熱は温度が高い方から低い方に伝わります。金属の方が熱の伝わりが速いので短時間に多くの熱を取り去ります。同じ時間でも木とか絨毯は熱の伝わりが遅いので取り去られる熱量が少なく、金属に触ったときほど冷たくは感じないのです。

 

金属は木よりも冷たいのではなく、多くの熱を取り去るので冷たく感じるのです。

 

   

 

   木材、絨毯に触ったとき        金属に触ったとき

 

 

 

では材料によってどのくらい熱の伝わり方が違うのでしょうか。

 

下の表は熱の伝わりやすさを表す熱伝導率という材料固有の性質です。単位はW/mkと少し専門的な単位ですが、値が大きいものほど速く熱を伝えます。数値を見て分かるように木材、コルク、絨毯は金属に比べて小さい値、すなわち、熱を伝えにくいことが分かると思います。

 

また、金属でも鉄よりアルミ、銅の方が値が大きく、熱をより伝えやすいことが分かります。銅管がエアコンの熱交換用のパイプに使用されているのは熱を伝えやすい性質を利用したものです。

 

 

鉄:54

アルミ:250

銅:400

レンガ:1.6

木材:0.14

コルク:0.04

絨毯:0.05

 

著者:三浦實

 

1946年東京生まれ

 

1969年早稲田大学理工学部卒業

 

住友金属工業株式会社で溶接冶金の観点から材料開発の研究、電子部品開発、実装技術開発に従事

 

現在:大阪科学技術センター・ATAC運営委員

 

 

 

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